2017年04月03日
終身雇用制が中心で、経営幹部の多くが「たたき上げ」だった日本企業でも、優秀なマネジメントクラスの人材をスカウトして採用するケースが増えています。
こうした優秀な人材の採用には、エグゼクティブサーチという攻めの人材採用手法がありますので、採用に成功するためのコツを説明していきたいと思います。
ヘッドハンティングとエグゼクティブサーチの違いって?
ヘッドハンティングは読んで字のごとく、対象者を「ハンティング」することです。
ヘッドハンティング会社は、クライアント企業から採用したい人材情報をヒアリングし、その情報をもとに候補者を絞り込み、「あなたを欲しがっている企業がいる」と一本釣りでアプローチします。
中には、クライアントが候補者を直接知っているが、アプローチはしにくいということでヘッドハンティング会社が間に入ることもあります。
ヘッドハンティングをするとき、候補者の転職意向は関係がありません。
候補者に転職する意思がない場合は、個人の置かれた環境や立場をふまえたアプローチを行います。
一方、エグゼクティブサーチは、管理職以上の人材に限った人材紹介サービスです。
通常の人材紹介や求人情報サービスのように、転職したい意思をもつ人が自主的に登録してきたデータベースを活用して人材を見つけるほかに、独自のリストから候補者をピックアップして面談につなげることもあります。
ちょうど、ヘッドハンティングと人材紹介の中間的なサービスです。
報酬の支払い方の違いもおさえておこう
ヘッドハンティングとエグゼクティブサーチは、フィー(報酬)の支払い方も異なります。
ヘッドハンティングは下準備にも時間と労力がかかるので、着手金(リテイナー)を支払うことが多い。
エグゼクティブサーチの場合、リテイナーを払うかどうかはだいたい半々くらいだと思われます。
通常の人材紹介であれば、成功報酬型がほとんどなので、リテイナーを払うことはほとんどないでしょう。
採用した場合は、紹介を受けた人材の入社時に、候補者の年収の40%~50%程度を成功報酬として支払います。
中小・中堅企業でもエグゼクティブサーチが成功するケースは年々増えてきている
一般的に、求職者の多くが知名度のある大手企業に偏よる傾向があるのは今も昔も変わりません。
そのため、売り手市場の昨今では、知名度の高くない中小・中堅企業は、求人募集をしても応募者がなかなか集まらないというのが実情です。
特に、多くの企業から求められるようなエグゼクティブ人材の獲得には、苦戦している企業が多いでしょう。
こうした状況のなか、中小・中堅企業であっても企業の強みを知るコンサルタントが仲介に入ることで、エグゼクティブサーチを活用した採用活動に成功しているケースも少なくありません。
エグゼクティブに対して、コンサルタントが第三者的に企業の魅力をアピールして、マッチングを図ることによりエグゼクティブ獲得の成功率を高めることができるのです。
選考過程に経営者が直接携わっている企業は採用に成功しやすい
エグゼクティブ人材を獲得する場合は、知名度や待遇以上にそこで働く魅力を感じさせることが重要となります。 エグゼクティブサーチを使って採用を成功させている企業の多くは、選考過程をエージェントや人事担当に丸投げせずに、経営者が直接携わっています。
経営側の「本気」を伝えることで、その企業の将来性を印象づけることができるのです。
企業の力は人の質で大きく変わる
マネジメントにかかわる人材を迎えたいという企業の多くは、単なる欠員補充ではなく、自社の課題を解決する、もしくは事業のさらなる拡大を目指すといった「目的」があるはずです。
自社のかじ取りを任せる人材だからこそ、採用業務を自社の経営課題だととらえて「本気」で取り組む必要があります。
優秀な人材を採用したいならエグゼクティブサーチを効果的に活用しましょう。