2017年11月13日
企業に必要な人材を確保しようとする際に、ターゲット人材に転職の意思がない場合、採用責任者は、どうすれば良いのでしょうか?
普通に考えれば、必要がないのに好き好んで転職する人などいません。
まして、今の職場の待遇や仕事内容に満足していれば、転職する気など起こるわけはありません。
転職する気がない人をヘッドハンティングしてその気にさせるのは、かなり難しいことなのです。
それでも、その人材がどうしても欲しい企業は、転職を拒むターゲット人材(以下、ターゲット人材)をどのように説得すれば良いのでしょうか?
ここでは、ヘッドハンターが使うヘッドハンティングの技についてお教えしましょう。
ターゲットに関する詳細な情報を得ることが最も重要
ヘッドハンティングしたいターゲットの情報を得ることは、最初に行わなければならない大事なことです。
ターゲットの情報が無ければ、そもそも依頼企業に必要な人材なのかもわかりません。
ターゲットに関する細かな情報を手に入れることで初めて、依頼企業に必要なスキルや経歴を持つ人材なのかがわかります。
ターゲットについて事細かに調べることで、ターゲットは「そこまで自分のことを調べてくれたのか」と心を許すきっかけにもなります。
そして、ターゲットの過去の経歴や現状、将来のライフプランなどを知ることで、ターゲットが今後どのように働きたいのか、何を目標にしているのか、何に不満を感じているのかがわかります。
これらの情報が無いと、転職を勧める際の交渉材料が不足します。
交渉材料はあればあるほど交渉を進めやすくなりますから、様々な手を使ってターゲットの情報を集めましょう。
そして、集めた情報を精査することで、ターゲットが置かれている状況がわかります。
ターゲットが今置かれている状況を正しく理解することが、転職の意思がないターゲットを獲得するために特に重要なことになります。
ターゲットが今置かれている状況を理解するために必要なのは、現状の働き方や待遇に満足しているか、今後どのように働きたいと考えているか、ということです。
もちろん、本人がどう思っているのかということは、本人に聞かなければわかりません。
しかし、現状のターゲットの年収や仕事内容、職場での地位や役割などという、客観的な情報は調べればある程度はわかるはずです。
それらの情報を総合することで、ターゲットが持つスキルや経歴ならより高収入が狙えることや、本人は今の状況に満足と言いながら潜在的な不満があるのではないかなどということを、予測することができるのです。
このように、しっかりとターゲットの情報を仕入れることで、ヘッドハンティングの交渉が始まるのです。
転職するメリットをとことんアピール
転職など、しなければそれに越したことはありません。
ですから、転職をする気がないと考えている人を転職する気にさせるのは、かなりの至難の業です。
では、どうすれば良いのでしょうか?
それはもちろん、転職することで得られるメリットをとことんアピールすることです。
転職する際には、かなり大きな労力を使います。
今の仕事を辞めるだけでも大きな労力を要しますし、さらに、新しい転職先を見つけ、転職先の環境に慣れ、新しい仕事を覚えなければなりません。
まして、もともと転職する気が無いのであれば、よほど大きなメリットが無ければ面倒な転職などするわけがありません。
その、転職する気がない人が感じるメリットとデメリットの感覚を正しく理解し、そのデメリットを大きく上回るほどのメリットを提示しなければなりません。
転職する気が無くても気持ちが動くほどのメリットとは、やはり、大幅な年収アップや待遇改善などの条件アップです。
今の仕事を辞めるデメリットを打ち消し、さらに大きなメリットを得られるということを具体的に説明しなければなりません。
具体的に、ターゲットに対しどのような点にメリットを感じるのかを聞いてみるのも良いでしょう。
今の職場に不満はないのか、その不満が解消できるなら転職する気になるのかということを具体的に詳しく突っ込んで話をすることで、ターゲットが求めるものを引き出せる可能性もあります。
ターゲットに対してメリットをアピールするのであれば、年収は最低でも現状維持、仕事内容は相手の希望を極力考慮するなどという条件をしっかりと決めておかなければなりません。
転職する気がないターゲットが「それなら、考えてみようかな」と思えるような、メリットをとことんアピールする必要があるのです。
潜在的な「転職への欲望」を掻き立てるためには最終的には強い熱意が最も重要
転職する気がないと言っても、潜在的な転職への欲望を持っている人もいます。
今の状況にある程度満足しているけれども、もっと良い条件の転職先が現れれば転職しても良いという潜在的な転職希望者というのは、一定数います。
また、自分が転職を希望していることに気づいていないという人もいます。
今の状況を何も考えずに受け入れているだけで、同じスキル保有者ならもっと高い年収を得ている、もっと待遇の良い職場はたくさんあるということを調べることがないため知らないという人です。
どちらのケースでも転職する気がない人を転職する気にさせるためには、ターゲットの情報収集とわかりやすく転職のメリットをアピールすることが重要です。
しかし、最終的には強い熱意が最も重要になります。
「あなたのことをこんなにも必要としている企業がある」「この企業は本当にあなたを待っている」という企業からの熱いラブコールをしっかりとターゲットに伝えることです。
また、企業の経営陣が面接に赴いて直接ターゲットを口説くというのも、かなり効果の高い方法です。
そうすることで、ターゲットに企業の熱意が伝わりやすくなるでしょう。
自分が求められているという話を聞けば、心が動くものです。
最終的には、企業からの熱い熱意にほだされて「そんなに言ってくれるなら」と、転職話を具体的に聞こうという姿勢に変わる人がほとんどです。
情報収集や転職するメリットの説明をやりきったら、あとは熱く転職を勧めるだけです。