2017年11月06日
日本にはグローバル企業を経営できる経営者が不足していると言われていますが、それはなぜなのでしょうか?
それにはいくつかの要因がありますが、特に大きな要因は日本には若い人材を早くから経営者として育成する土壌がないということと、語学力の問題でしょう。加えて、経営者としてグローバル企業を動かしていくためには打たれ強いメンタルも必要とされますが、後継者の育成の遅れによりメンタルの強い人材が育たないという要因もあります。
優れたグローバル企業の経営者に必要なのは、上記に上げた3つの特徴であると言われています。
ここでは、グローバル企業が求める経営者の3つの特徴について、詳しく見ていきたいと思います。
若いうちから経営を経験している
企業の社長として後継者を育成していくためには、企業の社長を経験させるのが一番手っ取り早く、良い方法だと言われています。
確かに、何事も経験させることで実践的な育成につながりますから、経営者としての経験を積むためには社長を経験するのが一番良いというのは至極当然のことです。
しかし、今の日本では若いうちから社長を経験させられるような体制がととのった企業やグループは、そう多くはありません。多くの日本企業では、古くから会社を支えた年配者に順番に社長の座を継がせるような年功序列制度ができあがっています。
そんな中、年功序列の上位に位置する年配者たちにとって、ぽっと出の若造に追い抜かされるなどあり得ないことでしょう。経営のイロハもわからない若造に会社の経営を任せるなどということはできない、という保守的な意見もあるはずです。
そのため、大手企業と呼ばれる環境の中からは、若い経営者は育たないと言われています。
若いうちから起業した人なら、経営者としての実戦経験を積むことができるでしょう。
しかし、年功序列で何事も順序を気にする日本の大手企業にいる限り、若いうちから経営者としての経験を積むことなどできないのです。
では、どうすれば良いのか?
大手企業に勤めているのであれば、関連子会社の社長になるのが最も近道です。
大手企業には関連子会社が数多くあり、そこに出向することで経営者としての経験をすることができます。
MBA留学をすれば、子会社の社長になるという狭き門をくぐりぬける一つの突破口になるでしょう。
また、日ごろから先輩経営者との人脈を築いておく努力も大事です。
その人脈から、経営者への道が切り開けるかもしれません。
優れたグローバル企業の経営者は、若いうちから経営を経験していることが多いと言われています。
早いうちから経営を経験しているのであれば、経営力がつくのは当然のことと言えるでしょう。
語学力が高い
グローバル企業を経営していくためには高い語学力が、やはり必要とされます。
基本的ですが、非常に重要なことです。
経営者として会社をひっぱっていくためには、海外企業と対等に交渉していかなければなりません。
相手とディスカッションができるレベルのビジネス英語を操れなければ、グローバル企業の経営者として活躍することなどできないでしょう。
会社を経営するためにはもちろん、グローバル企業で仕事をするだけでも語学力は必要不可欠なものです。
語学力に難があると、ちょっとしたコミュニケーションが難しくなります。
特に、経営者は常に人とのつながりを持たなければ務まりませんから、コミュニケーションツールが使えないということは致命的なのです。
語学力と言うと、TOEICやTOEFLで高得点を取る、外国語で書かれたマニュアルやビジネス文書を読み書きできるなどということが重視されるのは、日本の悪い点です。
日本人は語学力を養わなければならないとなると読み書きや文法などに走りがちですが、外国語を操る人とコミュニケーションを取るということは、読み書きや文法とはまた別次元の話です。
もちろん、読み書きや文法も含めた語学力も必要でしょう。
しかし、それが全てではないのです。
仕事のパートナーや部下たちに「今日はどう?」と気軽に話しかけるということは、経営者にとって非常に大事なことです。
些細なことでも日ごろからコミュニケーションを取ることで、仕事は円滑に回るからです。
経営者は常に、周りに気を配らなければなりません。
当然、外国語圏の人が仕事のパートナーや部下となる場合、外国語で「今日はどう?」というコミュニケーションを取る必要があります。
そんなちょっとしたコミュニケーションを多用するために、深い読み書き能力や文法など不要です。
人とコミュニケーションを取ろうとする気持ちの方が、より重要になるはずです。
優れたコミュニケーション能力を持つグローバル企業の経営者になるためには、とにかく、どんどん語学力を駆使してコミュニケーションを取りに行くことです。
使わなければ、語学力は育ちません。
異なる文化を持つ外国人に直に触れることでその文化や慣習の理解が深まり、コミュニケーション能力がより深く身に着くでしょう。
グローバル企業で活躍する経営者は、みんな外国語で深いコミュニケーションを取ることができる優れた語学力を持っているのです。
打たれ強いメンタルの強さ
経営者に求められるのは先を見通す力や人を引っ張る力など、様々な資質があります。
しかし、結局のところ、最も重要なのは打たれ強いメンタルの強さなのではないでしょうか。
会社を経営していれば、様々な問題にぶつかります。
企業に属する社員として働いていれば、仕事でミスをしたとしてもそれは会社が守ることができる範囲内であることがほとんどです。
しかし、経営者のミスとなると、会社の経営が傾く可能性もあるクラスになってしまうこともあります。
巨額の負債を抱える、大口顧客を失うなどという大きな問題に直面する可能性があるのが、経営者です。
そして、経営者としてその大きな問題を、社員の手前平気なフリをして収拾させなければなりません。
その時に必要なのが、打たれ強いメンタルの強さです。
経営者には、これが無ければとてもやっていけません。
そして、グローバル企業の経営者となれば、なおさらです。
アジア圏の押しが強い人たちと渡り合い、欧米圏のいまだに白人至上主義が根強い人たちに負けずに経営戦略を推し進めるためには、かなり強いメンタルが必要になるでしょう。
打たれ強いメンタルを持っていれば、様々な危機に直面しそれを乗り越えていくことができます。
そうした過程で、会社経営の先を見通す力や人を引っ張るリーダーシップなどの、経営者に必要な資質が磨かれていくのです。
どうすれば強いメンタルを身に着けられるのかということですが、こればかりは生まれ持った楽観性と芯の強さによる部分も大きいでしょう。
もちろん、様々な危機に直面し人から助けられ人を助けることで、強いメンタルは身に着きます。
自分が持つ能力の範囲内の仕事しかしないとメンタルは磨かれませんが、自分より大きな敵に挑めば心は強くなるのではないでしょうか。
グローバル企業の優れた経営者は、軒並み強いメンタルを持っています。
強いメンタルを持っていなければ、難しいグローバル企業の経営などやっていけないのです。